2016年4月30日土曜日

別花2016年6月号 パレス・メイヂその二十二感想

コミックス6巻収録予定回の、ネタバレをしています。
ご注意下さい。

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つ…辛い。上げられて結局落とされる御園が、見ていて辛い回。

鹿王院宮邸という新しい舞台と、宮様と御園のお互い
腹に一物ある間柄の新しい主従関係。
宮様の御園への弟呼びが胡散臭くて、良い…。
御園と主従ではなくなったお律(実質まだ主従みたいなものだけど)と
陛下の従者では無くなり、宮様のお供としてでなければ宮殿へ入れなくなる御園。
今まで宮殿内で散々「身分が低い」って言われていたのに
鹿王院宮邸の女中さんに「雲の上のお方」と言われている事が
宮殿から宮家へ、舞台が一階層下がった事を示している。
全ての主従関係がリセットされた中で、変わらないのは
友人である黒田君との関係だけ。
(黒田君の存在は、今回かなり救い…!)

宮様にお茶屋に連れてかれちゃう辺りも、御園が
少年の世界から、大人の世界に移った事を象徴している。
そしてついに御園が宮様に対して、自分が彰子様に
恋をしている事を認め、諦めない事宣言。
今までは「そんな畏れ多い、自分は籠になりたいだけ」って
感じだったので、これも変化した部分。
お茶屋のシーンは「さあ干しなさい」の所の御園が、鹿王院宮様を
睨みつけてる顔つきとか(こんな顔を宮様にする事は今まで無かった…)
おちょこを持ってる手つきとかも、作法をわかっている感じが出てて
わー!大人になったー!と思った。
今までと違って、宮様と張り合う覚悟を決めた感じ。
でも一気飲みして倒れて、おぼこいって言われちゃう少年らしさを
残してる所も良い…!「恋にやつれる弟を〜さあ干しなさい」の
宮様の台詞も時代がかっててかっこいいし、お茶屋の雰囲気も
貴族の遊び場って感じで、この一連のシーンはとても好き。萌え!

御園の夢の中に出てくる彰子様の「御園 目を醒ませ」は
悲しそうな表情と相まって「私たちが恋なんてできるわけは
ないじゃないか、目を醒ませ」って言ってるように見えて悲しい。

そしてお律が、自分のせいで御園が出仕の職を
失った事に気づき失踪(?)してしまった。
御園は震災で、お律以外のほとんど全てを失ってしまったなあ…と
思っていたら、追い打ちをかけるようにお律まで。
ヒーローはクライマックスを前に、窮地に追い込まれるものなのだなー。
指輪とお律は、物語の成就にどんな役割を果たすのだろう。

正直今月号で、収束の糸口が見えると読んでる側の心理としては
楽だったんだけど、収束どころか新たな問題(お律の失踪)まで出てきて
よりどうなるかわからなくなってしまった。
完結後は「この会えない期間が効いてるわ〜必要なエピソードだわ〜」って
絶対思うんだろうけど、リアルタイムで読んでると、辛いから
どんなに足早になっても良いから、早く解決して!って思ってしまう。
読者って身勝手ですね。次回も楽しみ。