2016年5月12日木曜日

別花2016年4月号 パレス・メイヂその二十一感想2

21話の感想は以前にも書いてるんだけど、
http://fennel88.blogspot.jp/2016/03/20164.html
読みかえしてたらまた書きたくなってしまいました…。
6巻の1話目に収録予定の回です。
今回はあらすじをがっつり書いてます。ネタバレにご注意下さい。














今回は三巻収録の其の九(真珠の回)と連なる、涙が鍵になる話。

彰子様に別れを告げられて、失意のまま京都に避難している
兄の元に向かおうとした御園は、偶然同じ汽車に乗り合わせた
真珠と再会し明慈帝崩御と、彰子様即位までの昔語りを聞く事になる。
臣下達が、病床の明慈帝の回復を願う一方で大喪(帝の葬式)の準備を
進めている事を知り、ショックを受ける彰子様。
そして当時の彰子様の寂しさを想う御園。重臣達が病床の明慈帝に
践阼の勅許をもらう役目を押し付け合っている事を知り、辛い気持ちをこらえて
自分がその役目を引き受ける彰子様。
自分の死期を悟り、彰子様が帝の重責を背負わなくてはならない事に
気づいていた明慈帝は、彰子様のその強さが心配だと語り
「泣いても良い、今なら涙を拭ってやれる」と声をかけるが、病床の父への思いやりから
彰子様は泣かずに父を励ます。そしてついに明慈帝は崩御してしまうが、
その時にも感情を表に出さず、軍服を着込み践阼式に臨む。
彰子様はこんなに強い方で、帝としての責務をなによりも大切にしている。
だから彰子様の事は諦めなさい、という真珠の弁。
しかしその言葉に違和感を感じ「じゃあ何故そんな強い方が、私なんかで
悩み苦しまれると心配したんですか?」と返す御園。
御園の問いに、言葉を詰まらせる真珠。
彰子様は何故、自分との別れの時に涙を見せたのか。
どれだけの悲しみ故のものだったのか。明慈帝の前ですら泣けない、
彰子様の涙を拭えるのは誰なのか。それに気づいて涙をこぼす御園。
今までも作中で、涙は成長のモチーフとしてしばしば登場してきた。
真珠が、明慈帝の涙を拭った時。彰子様が、内親王時代に真珠が
泣いていた理由を理解した時と御園の前で涙を流して別れを告げた時。
それぞれ涙を流して(拭って)、過去の自分と決別してる。
御園の涙も少年時代との決別であり、汽車を途中で降りて帝都に戻る事を決意する。


以上が(勝手な見解を加えた)流れ。彰子様の強さと弱さと御園への想いが
伝わってくる素晴らしい回だった~。まさかの真珠登場にびっくりした。
出てくるなら彰子様側だとばかり思ってたので。
二人とも公家華族だから、京都にルーツがあるんだろうな…多分。
20話のお別れのシーンって、単独で見ても凄く良いんだけど
この回を読むと意味が上乗せされて、より感動的になる。
当たり前だけど御園は読者程には、彰子様の御園への想いを知らなかったんだよなあ、と。
彰子様が軍服を着るシーン、無表情で凄く痛々しい。
帝になる前の彰子様って、今の東宮様みたいに天真爛漫なんだけど
帝になってから、感情を表に出さないようにしてたんだな~っていうのがよくわかる。
御園の前だと表情を出すように段々なっていくんだよね。
「寂しかったのはあなたもでございましょう 陛下」のコマが好き。
汽車の動きや音が効果的に差し込まれてて、凄く映像的だった。
アニメにしたら凄く良いと思う…!
何回でも言う、パレス・メイヂアニメ化して白泉社さん…!円盤買うから…!

概ねいつも彰子様の事を陛下って書いてるんだけど、
今回は明慈帝が出てくるので彰子様としました。終わり。

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